第11回酵素応用シンポジウム

先週の金曜日に名古屋で開催された「第11回酵素応用シンポジウム」に参加してきました。このシンポジウムは,名古屋に本社があり,岐阜に研究所をもつ「天野エンザイム」という会社が毎年主催しているもので,日本全国から酵素研究に関係する研究者が集まってきます。何を隠そう,僕の卒業した研究室の名称は「酵素化学研究室」ですから,当時の研究室で助手をされていた先生でいずれも今は別の大学で研究室を運営されているお二方とも,会場で期せずしてお会いすることが出来ました。


さてシンポジウムですが,研究奨励賞受賞講演では,新進気鋭の先生方がわずか20分ながら現在の研究の成果について話されているのを聞いているだけで,非常に刺激を受けました。これは,酵素研究の大御所と言われる先生方が前列にずらっと並んだ中での講演だからというばかりではなく,まさにそんな状況をものともせずに実に自分の世界にどっぷりと浸って話をしている姿に魅せられた感がありました。いつかこんな風に自信に満ちた堂々とした講演をしてみたいものです。


それから,招待講演ではほんの1週間前に一緒に3日間を伊東で過ごした貝沼圭二先生の話をまた聞く機会に恵まれたのですが,応用糖質科学と関連糖質産業というテーマで,その時代時代に関わった研究者の人となりをさりげなく紹介しながら,実にストーリー展開に魅力が感じられる講演となって,1時間という時間があっという間に過ぎてしまいました。現在貝沼先生は74歳になられたということですが,外見同様,その話しっぷりにもまったく年齢を感じさせるところが無く,まさにこんな風に歳を取りたいものだとあらためて思いました。