あけましておめでとうございます

あけましておめでとうございます。

昨年は、初めて国際学会での招待講演を引き受けたり、所属していない学会から基調講演をお願いされたりと、これまでの私たちの研究を評価していただき、それをさらにたくさんの方に紹介する機会をいただきました。
本当にとてもありがたいことで、感謝、感謝、という一年でした。

しかし、ごくごく狭い範囲で少しばかり成果が顔を出してきたからといって、根っこが小さければ目に見える高さも時間もほんのわずか・・・、というのが世の常というもの。
今年は、根っこを深くする努力もさることながら、次の新しい花を芽吹かせるべく、難問に立ち向かうために必要なツールの発見と創出を、学生と一緒に進めていく年にしたいと思います。

昨年も書いたように,明日からの人生の初日である「今日」から未来の世界へのチャレンジャーとして,今年も変わらず「楽しく毎日を過ご」したいとおもいます。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。

今年のしめくくり

昨年の1年を締めくくる記事が,「今年は,・・・(中略)・・・,明らかに人生でもっともせわしなく移動した1年でした。」とあるのですが,その翌年となる今年は,恒例の年3回の帰省(天栄村,多治見)に加えて,愛知県(10回),静岡県(4回),東京都(3回),京都(2回),高山,鳥取,島根,神戸,藤沢,鹿児島,福井,仙台,韓国,ボストンと,ほぼ昨年を踏襲するような移動距離でした。

また,今年初めの抱負として,「昨年は,精神的にも肉体的にも空間的にも,ここ最近で一番の活動量といえるかなと思いましたが,10年後に振り返ったときに,これがピークではなくこれがベースだったと言えるように,今年も頑張っていきたいと思います。」と書いたのですが,一年を振り返ると,2年に亘ってのペースが,これからのとりあえずのベースとなる土台はできたかなと思うので,まずはめでたしめでたし。

ということで,皆様,よいお年をお迎えください。
来年もどうぞよろしくお願いします。

2017年に読んだお勧めの本

今年も残すところあとわずか。
1年を振り返る時間がほんの少しあるので,今年はどんな本を読んだかなあと思い起こし,印象に残ってなおかつお勧めしたい本を3冊厳選しました。

七帝柔道記 (角川文庫)

七帝柔道記 (角川文庫)

久々に「小説」を長い時間かけて読みましたが,作者が同年代でなおかつ大学時代の風景がふっとよみがえる懐かしさもあって,とても印象に残る作品となりました。格闘技好きには,以外に知られていない柔道の世界をかいま見ることが出来る点でもお勧めです。

本文の記事の出典をすべてインターネット上で確認できるように配慮されているなど,授業で話題にする時にも安心して利用できそうです。

こちらも,何となく感じていた日本人の特異性が次から次へと明らかにされていく爽快感があります。もちろん,記事の信憑性については自分で確認できるように,出典も非常に細かく明示されています。

LATEXを使いこなすために

[改訂第7版]LaTeX2ε美文書作成入門

[改訂第7版]LaTeX2ε美文書作成入門


科研費の申請書の作成といえば,毎年9月の恒例行事となっていますが,この申請書を作成するために,もうかれこれ10年以上前から「LATEX」というフリーソフトを使っています。


LATEXというソフトを専門的に表現すると,「テキストベースの組版処理システム」ということになりますが,誤解を恐れずに説明すると,決まった書式に合わせて文章をはめ込んでいく作業に非常に便利なソフトと言えるかと思います。
例えば,論文の中身を学術雑誌の投稿規定にあうように自動的に組み込んでいくというようなことも簡単にできてしまいますし,より一般的には,複雑な数式を綺麗に印刷する際に,多くの物理学者や数学者の必需品となっています。

また何より,全くのフリーソフトであるため,世界中の利用者が改良を重ねているという特徴もあります。


科研費の申請書は,内容を考えることもさることながら,この決まった書式に合わせて文章をはめ込んでいく作業もまた骨が折れるものですが,そうした作業は全てこのLATEXに任せてしまって,こちらとしては内容を考えることのみに集中しようという魂胆です。


とはいえ,なかなかこのLATEXを使いこなすのにも労力がかかるのも事実で,なにせ世界中の利用者が日々改良を重ねているわけですから,気がつくと全くついていけないということにもなりかねんません。

そんな時,これどうするんだっけなあという疑問を解決してくれる参考書(辞書)が,この三重大学の奥村先生が書かれている「美文書作成入門」です。
今回で改訂第7版となりますが,僕は第3版の頃からずっとお世話になっていて,やはり新しい版が出ると,手元において置かずにはいられない状態になっています。

2017年もよい年に

あけましておめでとうございます。

昨年は,精神的にも肉体的にも空間的にも,ここ最近で一番の活動量といえるかなと思いましたが,10年後に振り返ったときに,これがピークではなくこれがベースだったと言えるように,今年も頑張っていきたいと思います。

ある程度の経験が蓄積してくると,それが指標となってプラスやマイナスといった「計算」をしてしまいがちです。
しかし,経験は経験としてモノゴトを推し量る際の参考とだけ考えるようにして,「今日は明日からの人生の初日」であることを肝に銘じ,未来の世界へのチャレンジャーとして活動していこうと思います。

もちろんその基本となるのは,「楽しく毎日を過ごす」ということ。

このブログを訪れてくださる皆さんにとっても,今年がよい年でありますように。

健康が一番

2016年見納めの富士山

2016年をふりかえって,1年を通じていたって健康であったことが一番の成果でした。

そして,何事も普段通り,というのも大事なことかと。

ということで,今年も帰省の途中できれいな富士山と対面が出来ました。

来年も頑張るぞ。

オススメの本(第2弾)

先日紹介した今年読んだオススメの本は3冊でしたが,それから数日の間に机の周りや本棚を眺めていると,これも良かったな,これも勧めたいな,という本がいろいろ出てきました。
すっきりと年越しをするためにも,そうした本を一挙に紹介したいと思います。


まずは新書で純粋に知識が増えるのに役立ったものとして・・・

ゲノム編集技術である「クリスパー」が世間を騒がせています。単なる科学の世界の手法としての最先端の技術にとどまらず,一般社会への影響力をいかに秘めている技術であるのか,この本を読んでなるほどと理解しました。


現代免疫物語beyond 免疫が挑むがんと難病 (ブルーバックス)

現代免疫物語beyond 免疫が挑むがんと難病 (ブルーバックス)

「現代免疫物語」シリーズの第3作となる本書は,免疫学の分野で最近話題となっているありとあらゆる研究について網羅しています。現代免疫学を俯瞰するにもよし,はたまたその最先端の免疫学に触れることで知的好奇心を掻き立てるもよし。読み始めたら止まらない一冊です。


つぎは学生さんの指導に役立ったものとして・・・

実験で使うとこだけ生物統計2 キホンのホン

実験で使うとこだけ生物統計2 キホンのホン

我々の分野で統計処理なくして研究をまとめることはできませんが,これを学生に指導しようとするとなかなか難儀するのです。この本は,一般的ないわゆる統計学の参考書とは趣を異にしていて,非常に簡潔にまとめられているのですが,その実痒い所に手が届くように書かれているため,学生の疑問に答える際に重宝しています。


表現英文法 増補改訂版

表現英文法 増補改訂版

722ページとかなりの厚さを誇る書籍ですが,表現する視点に立った英文法の体系化の仕方がかなり秀逸です。読み物として通読しただけでも,かなり英語のレベルが上がるのではないかと思わせてくれる一冊です。(もちろん,英語の習得は地道な努力が必要ですが)


国際誌エディターが教えるアクセプトされる論文の書きかた

国際誌エディターが教えるアクセプトされる論文の書きかた

英語の論文を書き慣れていない大学院生向けのこの手の本は巷に溢れていますが,著者の方が世界のトップジャーナルのエディターを11年務めた方とあって,さすがに非常に実践的なアドバイスが散りばめられた本です。また,論文のレフェリーを務めることも増えてきた新米レフェリーの我々にとっても,「自分がレフェリーになったら」という項目がなかなかに参考になります。


最後に研究者としての道しるべに・・・

まず大前提として,この本に書かれていることにおおいに共感します。そしてそれを土台として,自分自身がそうなっているか自分の立ち位置を比較するというのも,この本の利用法としておおいに結構でしょう。しかしながら,研究者としての進路を突き進もうかどうしようか迷っている学生に対して,この本に書かれていることを実行していくことが果たして魅力的だと感じるかそうでないか,と突きつける。そういった進路指導に使える本ではないかと思います。


できる研究者の論文生産術 どうすれば「たくさん」書けるのか (KS科学一般書)

できる研究者の論文生産術 どうすれば「たくさん」書けるのか (KS科学一般書)

論文を生産するためには,それはもちろんその元となるデータがなければならないだろうけれど,そのデータがわんさとあるからといって,なかなか論文を量産するということができないのもまた事実。そんな時に,この本ではまさにどうすれば「たくさん」論文が書けるのかのハウツーを教えてくれます。僕も早速,「大学に出かける前の1時間を論文執筆時間にあてる」を実践しています。


科研費申請書の赤ペン添削ハンドブック

科研費申請書の赤ペン添削ハンドブック

大学で働く研究者の命の綱ともいえる「科研費」ですが,毎年申請書提出の時期ともなると,自分の思いがどうして伝わらないのだろうと悶々とすることも。そんな「書き方」の誤解や思い込みを解消してくれるにはもってこいの精神安定剤的一冊です。もっとも,この本が本当に役立ったかどうかは,来年4月初めにわかることになりますが。