市民公開講座

市民に向けての情報の公開も大学の教員としては重要な仕事(らしい)。そこで,そんないっぱしの教員としての責務を果たすべく,今日は市民公開講座の講師を引き受けました。といっても,学内の岐阜フィールドセンター教育研究センター主催の公開講座で,参加者は8人というこじんまりとしたものでした。参加者のみなさんはご年配の方が多く,男性1人だけでその他はすべて女性という構成でした。


食と緑と命の学校と銘打たれたこの講座のテーマは「乳製品の知恵としくみ・バターとヨーグルトを作ろう」というもの。この中で,僕は1時間15分にわたって,「牛乳の成分を上手に利用する知恵としくみ」という講義を担当しました。僕を昔からよく知る人にしてみれば,おまえが牛乳の講義?という疑問がわき出てきそうですが,いろいろな経緯で,実は牛乳と深く関わる仕事もしております。


さて講義ですが,75分という長丁場で,午後1時半からという眠気を誘う時間帯にも関わらず,参加者の方々は非常に熱心に講義を聞き,さらには学生に見習わさせたいほどにメモを取っていました。やはり,好奇心から来る向学のエネルギーが,いくつになっても変わらぬ行動の源になるようです。果たして,僕の講義がその旺盛な好奇心を満たせたものかどうか不安ではありますが。


講義の後は,実際にヨーグルトとバターを作っていただき,試食してもらいました。特に生乳からバターを作る実習では,ミルクという液体がみるみるまにバターという固体に変わる様が,参加者の皆さんにとっては初めての体験だったようで,非常に喜んでいただきました。我々にとってもこうした経験は,科学の知識がどのように市民の知恵となっていくのかを体感する貴重な時間となります。


というわけで,どうやら好評のうちに終了の時間を迎えたようで,会場から研究室に戻ってメールをチェックすると,早くも来年の公開講座の講師のお誘いが入っておりました。