お盆休み・その3

田舎から岐阜への帰り道,あんまり暑いので涼しげな箱根に寄って一泊してきました。パレスホテル箱根という芦ノ湖を眼下に臨む静かなホテルでした。夕方に到着して,まずは露天風呂に入ってみると,流れる空気がひんやりとして,いやはやこれぞ避暑地と満足感に包まれました。その後の夕食は,なんでも前日に小泉前首相が寄って行ったというホテル内のレストランに入り,お客が他に2組しかいなかったこともあってか,ゆったりと優雅な雰囲気を満喫しました。


翌日は,からっと晴れた天気に合わせて,彫刻の森美術館で自然の中の芸術を満喫しました。なかでも,ヘンリー・ムーアの彫刻は,アメリカで毎日目にしていたこともあって,なんだかなつかしさの漂う時間を過ごしました。それから,ピカソ館では,ピカソの陶芸作品がたくさん展示してあり,初めてみる作品にしばし感動ものでした。それにしても,前日の「避暑地」宣言もつかの間,この日の暑いこと。日本全国,どこでも暑さが厳しいことを実感しました。


さて,箱根からの帰り道につこうとした矢先に,「喜多方ラーメン」という看板に遭遇。なんだか気になって,店に入ってみると,おばあさんが対応してくれました。そこで,実は帰省のついでに2日ほど前に喜多方に行ってきたことを告げると,それはそれはうれしそうに,おばあさんの生まれ故郷の喜多方の家の写真を見せてくれました。なんでも,喜多方の「まこと食堂」がこのおばあさんの実家で,そのお店を今も切り盛りしているのは実のお姉さんなのだとか。まこと食堂といえば,坂内食堂,あべ食堂と並んで喜多方ラーメン御三家といわれる老舗のラーメン屋さんですが,名前を出した途端に僕が反応したことがよほどうれしかったようで,別れ際には会津弁でまたいつか必ず立ち寄ってくれと頼まれました。ふるさとを遠く離れた土地で,ふと故郷を知る人が現れたときに,こんなにも気兼ねなく話せるのが,ふるさとの力だなあと実感しました。