ついにNHLにも日本人選手誕生

コクドからNHL(北米プロアイスホッケーリーグ)のロサンゼルス・キングズに移籍した福藤豊選手が,13日についに初の日本人プレーヤーとして試合に登場しました。アイスホッケーといえば氷上の格闘技といわれるほど,その肉弾戦はすさまじい限りで,体格的に劣る日本人ではとてもとてもNHL選手になれるはずがないと思われてきました。しかし,相手選手との衝突の少ないゴールキーパーはまさに狙い目で,初のNHL日本人プレーヤーがゴールキーパーというのもうなずけます。とはいえ,そこはアイスホッケーですから,ゴールキーバーといえども日本人の体格の差は歴然としています。いやはや,福藤選手あっぱれです。


僕が仙台に住んでいた頃は,大学の目の前にスケートリンクがあったこともあり,大学のアイスホッケー部の試合を暇があれば観ていました。大学生の試合とはいえ,氷上ゆえのスピード感と迫力はそれはもうすさまじく,試合の日が待ち遠しかったのを覚えています。そしてアメリカに渡った先のボストンは,言わずと知れたNHLのブルーインズの本拠地。ちょうどベースボールのシーズンと重ならないこともあって,アメリカ人の友達と連れ立って試合を観に行っていました。


あの舞台に日本人が登場したと言うニュースを聞いて,本当にびっくりと同時にうれしい限り。でも,福藤選手なら当然とも言えるかもしれません。なにしろ,アイスホッケーのメッカである釧路で生まれ育ち,中学の時分にはもう全国的に名の知れた逸材です。その彼が,進学先として選んだ高校が仙台の東北高校でした。はっきりいって強豪でも何でもない高校に進学したその意図とは。それは,入学してすぐに明らかになりました。弱いがために攻められっぱなしのチームにあって,雨あられと浴びせられるシュートを受けることによって,ひとりゴールキーパーとしてゴールを死守する。そんな試合の中で鍛え上げるためという将来設計に基づく進路の選択は,高校生として史上初のアイスホッケー日本代表となることで実を結びました。いやはや,福藤選手あっぱれです。


でも喜ぶのはまだ早い。まだ,1試合に出場したに過ぎません。ゴールキーパーはチームの要でもあります。チームの浮き沈みはゴールキーバーの出来一つで決まるといっても過言ではありません。是非チームのかけがえのない選手として定着し,次に続く日本人選手のパイオニアとして語り継がれて欲しいなと思います。まあ,でもまだ福藤選手は24歳ですから,まだまだこれからですかね。