師走に突入

先月末に東京に出向きました。学生時代の恩師が定年退職を迎えての記念パーティーに出席するためです。私立大学の特任教授を全うされた恩師は,御年72歳。1時間にわたって催された記念講演会での張りのある声を聞いていると,つくづく大学の定年制度に疑問が湧いてきてしまいます。MITで間近に接したコラナ教授は,20種類のアミノ酸と遺伝情報の関係をつきとめたことで1968年にノーベル賞医学生理学賞を受賞した方ですが,80歳を過ぎてなお研究に没頭する姿が印象的でした。いずれにしても,年を重ねても重ねても先頭グループの集団で離されずについていけたらいいですね。コラナ教授然り,将棋の大山康晴十五世名人然り,我が恩師然り。


ところで,この東京行きに際して,我が人生初めて新幹線のグリーン車に乗りました。といって突然金回りが良くなったわけではなく,相変わらずの暮らしぶりは変わらないのですが。からくりは,JR東海ツアーズで企画している「ぷらっとこだまグリーン車プラン」を利用してのこと。普通に新幹線を利用すると,名古屋から東京まで片道で10,580円かかるのですが,1週間前までにチケットを予約すると,なんとまあ8,900円で行けてしまうのです。グリーン車を利用しようものなら14,070円かかることを思えば,実に5,000円以上もお得な計算になります。おまけに,1ドリンク無料券や雑誌「WEDGE」「ひととき」の無料持ち帰りなど,かなりお得です。何より乗り心地は抜群でしたから,のぞみで1時間半の道のりを約3時間かけて東京に向かうことを差し引いても,病みつきになりそうです。


東京では,空いた時間を利用して青山の岡本太郎記念館に立ち寄りました。ここは,岡本一平・かの子・太郎の一家が永らく暮らし,そして岡本太郎が10年前に亡くなるまでアトリエ兼住居として住んでいた場所。おまけに,戦後に建てられたこの家を設計したのは,岡本太郎の友人だった坂倉準三です。坂倉準三といえば,ル・コルビュジェの愛弟子として知られる人で,まさに岡本太郎のアトリエとしてふさわしい「ユニーク」な家を堪能しました。