臨時講義

今日は1コマ目の大学院の「糖鎖生命工学特論」という講義で、プロテオグリカンについての臨時講義をすることとなった。大学院の講義を持たない助手というポジションにあっては、研究室以外の大学院生と接する絶好の機会でもある。実は、昨年も同じように担当のK先生から頼まれて経験済みということもあり、初めは気軽に考えていたのだが、よくよく考えてみれば、K先生の前で昨年と同じ内容の話をするというのも申し訳ない。というわけで、先週末から急遽新しいスライドをいろいろと挟んだものを作り込んでいた。


こうしたスライド作りをしていると、客観的にこの1年でどの程度自分の研究が前進しているのかが分かる。と同時に、どれだけ歩みが遅いのかも一目瞭然。スライドを作りながら、大いに反省することとなった。


さて、当日を迎え、今日の講義を聴講する学生は約40人ほど。昨年よりだいぶ人数が増えている。おまけに日本語がまだ堪能ではない留学生も2、3人含まれているとのこと。本来なら英語ですべて講義するのも一案なのだろうが、まあここは概要を英語で説明するに留めて、日本語で説明を始めた。そして、始まってみると、顔を向けている学生の視線の熱いこと。全員とはもちろんいかないものの、話し手のこちらを熱くさせるに十分な思いを感じた。そんなこともあって、講演の終盤には声がかすれてしまう事態に陥ってしまったばかりか、1時間の予定を大きくオーバーしてしまって、質問の時間がほとんどなくなってしまったほど。果たして、こちらの思いと聞いていた学生に大きなギャップが無かったことを祈るばかりではある。


話し終えて、反省点もいくつか。まず、あれもこれもといろいろなトピックを詰め込んでしまったおかげで、かえって学生を混乱に陥れてしまっているかもしれない。ここはやはり、自分の研究の流れをすっきりと一本の映画を見せるように並べ立てたスライドが作れたら理想だなあ。もちろん、それで1時間の話が出来るというのは並大抵のことではないだろうけれど、こういうせっかくの機会を無駄にしないためにも、必要不可欠の準備に違いない。そのためには、日々の研究との接し方が大事だということは言わずもがなだが。


ところで、先日東京に出向いて受けた面接の結果を記した一通の手紙が届いた。果たしてその結果は・・・ダメだったそうな。なんとも素っ気無い文面が、ショックをさらに加速する。まあ、この申請を通して勉強したことも多いので、今後に生かすということでなんとか気持ちを整理するか。