天皇皇后両陛下が岐阜に

名古屋での所用を済ませ、午後4時頃に岐阜駅に戻ってくると、岐阜県警の腕章を付けた警官の多さといつもの3倍は居ようかという駅員の数が目に付いた。それでも、何も気にせず改札へと足を進めると・・・なんとまあ沢山の人だかり。


そこではたと、今日下呂で行われているという全国植樹祭に、天皇皇后両陛下がご臨席されているという新聞記事を思い出した。もしや、そのイベントを終えた後に、岐阜にお立ち寄りになるのだろうか。


果たして、まだかまだかと首を長くしているおばさん方の話に耳を傾けてみると、美智子様がお出でになるとのこと。天皇陛下はお一人で帰られたのかなあと思いつつも、どうやら予想は当たっているらしい。そこで、15分ほどで到着されるということなので、おばさん方と同様にその群衆の中に身を置いて待つこと30分。


午後4時半。高山本線下呂から到着した天皇皇后両陛下(やはりお二人ご一緒だった)をお迎えする拍手が、岐阜駅の改札口に鳴り響いた。テレビで見慣れた光景そのままに、両陛下は優しい笑顔を湛えたまま、改札口に向かう階段を、ゆっくり、ゆっくりと降りてこられた。自動改札を通り抜けるのかと思いきや、さすがにそうではなく、駅員用の裏通路に向かわれて一度姿が見えなくなった。そうすると、その途端に群衆は後方のエスカレーターの方に走り出した。まるでその裏通路がどこにつながっているのかを知っているかのように。


果たして、両陛下は再び別の出口からお姿を現し、その周辺から歓声が上がっていた。岐阜の方は、何度もこうした光景に遭遇しているのだろうか。


そんな軽い興奮が冷めやらぬ状態を味わいつつ、しばらくしてから外に出てみると駅前の沿道が何やら騒がしい。とそこへ2台の白バイが通ったかと思うと、その後ろの黒塗りの車の窓が開き、手を振られている両陛下のお姿が。なんと、二度も拝謁(といっても一方的にこちらがお見かけしただけだが)するとは。なんだか良き日であった。