故郷と田植えと

ゴールデンウィークは、予定通り車を駆ってはるばる福島まで田植えの手伝いに行ってきました。しかし、片道700キロの道のりをそれだけに費やすのもどうかと思い、まだ足を踏み入れたことのなかった金沢で途中道草をしつつ帰ることにしました。


岐阜からは、白川郷の保存集落を横目に見た後、北陸道を通って金沢に入りました。途中、御母衣(みぼろ)峠で食べたそばのうまかったこと。思わぬ収穫でした。沿道に見事な花を咲かせているはずだった荘川桜は、残念ながらまだつぼみの状態でしたが、考えようによっては渋滞に遭わずにすんだのは、このおかげだったのかも知れません。


金沢では、兼六園を散策してうまい海鮮料理に舌鼓を打っただけでしたが、ひたすら歩いて見て回ったおかげで、新しい街と古い町のそれぞれの良いところを堪能しました。次は、もうちょっと時間をかけて、じっくりと散策してみたいと思いました。


さて、田植えですが、弟夫婦と妹夫婦もそれぞれのかわいい息子を連れ立って手伝いに来ており、正月かと見まがうかのような賑やかさの中、良い天気にも助けられて「はがいぐごと、はがいぐごと(順調に事が進んだという方言)」。最終日に雨が降ってしまったこともあって、予定を完了することは出来なかったのですが、まあ我々助っ人の役目は十分果たしたかと。


ところで、ふるさと天栄村は3か所のスキー場やペンション村、二つのキャンプ場、温泉、全国大会も開かれる20面テニスコートなどなど、観光にも力が入る土地柄なのですが、最近日本全国から訪れる人が後を絶たない場所があるとのこと。それは、「天栄ホースパーク」というJRAの競走馬を育成する牧場。ここは、45ヘクタールの広大な敷地に、1200メートルの周回コースと、高低差17メートル、長さ1000メートルの坂路コースを持つというかなり立派なもの。なんといっても、206の馬房を持つというから、まさに土地だけは余るほどある我が田舎にぴったりな大型施設です。


この牧場は、日高・新冠早田牧場が育成専門牧場として開設したものだそうですが、早田牧場といえば、「ビワハヤヒデ」や「ナリタブライアン」といった競馬ファンならずとも聞いたことはあるような有名馬を生産したところ。ここでは、中央競馬に出走する競走馬が、日々トレーニングを積んでいるということで、馬主のみなさんが自分の馬のトレーニングぶりを見学するために、ひっきりなしに天栄村を訪れているそうです。ちなみに、この牧場生まれの競走馬もすでに中央競馬デビューを果たしており、「テンエイウイング」という馬は中央競馬で3勝を挙げてもいます。この「テンエイ」と名前の付いた競走馬は現在までに15頭がデビューを果たしていて、あわせて7勝を挙げつつ、現在も6頭が現役。ナリタブライアンの血を受け継ぐ「テンエイヤシャオー」や、三大種牡馬の一頭であるブライアンズタイム(他はサンデーサイレンストニービン)の系統である「テンエイトップガン」などは、まだ3歳と4歳なので、これからの活躍次第では、期せずして天栄の名を世間に広めてくれることになるかも知れない、とちょっと期待しています。