引っ越しについてあれこれ

 数えてみれば、大学以来の研究場所として、今回の仕事場はなんとまあ6ヶ所目ということになる(仙台ー鎌倉ーボストン(2)ー東京ー岐阜)。百姓のせがれとして生まれた運命からすれば、先祖代々に伝わる土地を一生をかけて守る・・・はずだったのだが、いやはやだいぶかけ離れてしまったこと。働く場所を状況に応じて変えていくことに、個人的にはなんの抵抗も無いのだけれど、田舎の家族からしてみれば、なんとヤクザな道に足を踏み入れてしまったことかと嘆いているかもしれない。まあ、どう言われようと、もう後戻りする気もないのだが、確かに同じ場所に腰を落ち着けてじっくりと一生を過ごすのも良いなあと思うのは、引っ越しの煩わしさに頭を悩ますこの時期特有の感情だろうか。

 住む場所の引っ越しということになると、実はこれが9回目となる。高校の時分からはとても想像も出来ないほど、我ながら呆れた回数になったものだと思わず感心してしまう。高校卒業後の16年間に9回ということは、実に2年経たずに引っ越しをしてきた計算になる(1年で引っ越したケースが3度もあるのでそういうことになる)。もちろん、定期的に環境が変わる状況は、いろいろと刺激が増えることもあって、なかなかどうしてプラスに影響することが多いと思っているのだけれど、引っ越しの作業のことを思うと喜んでばかりもいられない。

 ましてや、今回は結婚して初めての引っ越しとあって、これまでと荷物の多さが断然違うときている。これはもう真夏の炎天下に田んぼで野良仕事する気分に似ていて、まあいつかは終わりが来るさと覚悟を決めてことに臨むことにしている。自分で決意した引っ越しですらこの有り様だというのに、会社の都合で転勤を言い渡される世の転勤族の方々の心境たるや。転勤の度に昇格するということでなぐさめているのだろうか。

 というわけで、積み上げられた引っ越し荷物を見上げつつ、愚痴を並べてみた次第。次に引っ越しをするのはいつになることか。・・・ん、早いとこ、片づけなければ。