科学者として生き残る

科学者として生き残る方法

科学者として生き残る方法

若者の理科離れが進行していると言われています。そんな中で科学者になろうとしている人が減っているかというと,実はそうでもありません。確かに,大学院の博士課程に進学する学生は,最近は減少傾向が始まっているようですが,すでに博士号を持っている人や,現在博士課程に在籍している人の数は,つくべきポストの数の方がはるかに少ないほど多いのです。欧米では,博士号を取得したからといって,必ずしも科学者にならない人たちが少なからずいるのですが,日本ではこうした人はまれで,ほぼすべての人が科学者を目指すことからも,もうしばらくは就職難が続きそうです。


そこで,この本の登場です。この本の著者はカナダのケベック大学の教員ですから,日本の状況に合致しているとは言いがたい場面も多々あるのはいたしかたなし。しかしながら,そこは世界を相手にすることが当たり前の科学の世界のことですから,参考になることのほうが圧倒的に多いです。タイトルや本の帯のメッセージを読むと,現在大学院に在籍している学生向けの本という印象もありますが,実際に読んでみると,これから「科学者」として生き残ろうとする我々のような若手研究者にも大いに参考になる内容でした。正月気分を一掃するにはぴったりかも。