ゴジラとカズ

先日,ヤンキーズ松井秀喜横浜FC三浦知良が一緒に出演している番組を見ました。それぞれ第一人者としての風格を備え,非常に落ち着いた雰囲気の語り口の中淡々と進行していくその様に,ふっとスポーツ選手であることを忘れてしまいそうになりました。


二人の話の中で印象に残ったのは,小さい頃から自分がプロのプレーヤーとして活躍している姿を信じて疑わなかったというくだりです。特にカズに至っては,小学校でも中学校でもスポーツ万能というわけではなく,体育の成績表は常に1か2だったとか。確かに中学生の頃から日本代表として名の知られた中田英寿の経歴とは対照的に,16歳でブラジルに単身渡って18歳でプロデビューしてもなお,日本では全くの無名の選手でした。おまけに,内弁慶でおよそ活発な子供ではなかったそうです。でも,プロのサッカー選手になることを現実のものとするべく,高校を中退してブラジルへ渡るという行動に移した結果が,現在39歳10ヶ月にしてなお現役プレーヤーとして活躍していることとなっているわけですから,意思の強さこそ何ものにも代えがたい夢の実現への原動力となるということでしょうか。


同じく意思の強さでは誰にも負けないだろうと思われるゴジラ松井が,カズの話をその傍らで聞く姿を見ていると,昨年左手首の骨折で選手生命をすら危ぶまれた体験を乗り越えたことでますます,カズのような息の長いプレーヤーとして10年後もニューヨーク市民からエールを送られているような気がしてきました。