銀世界と羽生世代

岐阜は朝からとめどなく雪が降り続く天気です。年末に今シーズンの初雪は既に経験済みですが,いよいよ本格的な冬将軍の到来でしょうか。ちなみに冬将軍とは、フランス皇帝ナポレオンを負かした厳しい寒さのことを言います。ナポレオンが大軍を率いてロシアに遠征したとき、ロシアの寒さと積雪に耐え切れず敗退したという失敗を記事にしたイギリス人の記者が、ロシアの厳しい寒さを“general frost(冬将軍)”と表現したのがこの言葉の始まりです。


こんな寒さをしのぐために体の中から温めようと,新作ビールの琥珀ヱビス を堪能しました。限定醸造で11月末に発売された琥珀ヱビスは,その名の通りアンバー(琥珀色)ビールというカテゴリーのビールですが,ボストンに住んでいた時に良く飲んだ「サミュエル・アダムス」を彷彿とさせる深い味わいのビールで,値が張るのが唯一の難点ですが大満足の逸品。


さてさて,将棋の佐藤康光棋聖が昨日の森内俊之・名人への棋王挑戦者決定戦で見事勝利し,実に5棋戦連続の挑戦者になりました。羽生が10年ほど前に7つの棋戦すべてを制したことはもちろん前人未到の偉大な記録として知られていますが,5つの棋戦の挑戦者に連続してなるというのももちろん史上初めての偉業です。次々に10代でプロ棋士となり,数々のタイトルを独占して将棋界に新風を巻き起こした1970年生まれの羽生世代(羽生,森内,先崎,丸山,藤井,郷田の6人)に,敢然と立ち向かう1つ年上の佐藤棋聖は,最近は挑戦すれども挑戦すれどもタイトルを奪取するまでにはいたらないこともあって(とはいえ竜王1期,名人2期,王将1期,棋聖5期を獲得という羽生に次ぐ戦績を残してはいますが),将棋ファンの人気も急上昇中とか。そもそも「緻密流」と呼ばれる棋風で,「1秒間に1億と3手読む」と嘯かれる当代きっての才能の持ち主ですから,羽生や森内が強すぎるというのが正直なところかもしれません。ちなみに,僕も1970年生まれの羽生世代のはしくれ(?)ですので,応援しているのはもちろん羽生(1月11日から王将戦)と森内(2月11日から棋王戦)ですが。