アンリ・ルソー

みつめる先には・・・

天栄村に暮らしている愛猫は,アメリカンショートヘアとは思えない穏やかな気性の持ち主で,飼い主に媚びることもなく,かといって住人の視線の先から外れることもなく,仙人よろしく悟りの境地を漂わせています。上の写真からそんな様子がうかがえるでしょうか。


さて,1月3日から大学関係の用事が詰まっていたこともあり,慌ただしく年が始まったところで,ちょっと落ち着きを取り戻すべく,愛知県美術館で開催されている企画展「ルソーの見た夢,ルソーに見る夢」に行ってきました。アンリ・ルソー(Henri Rousseau)は,税関の職員のかたわら絵を描き続けた日曜画家として知られ,その後に素朴派と呼ばれる画家たちに影響を与えたその人です。しかし,ルソーの生前はピカソなど一部の画家にのみ評価されただけだったそうです。


展示されていた絵は期待したほど多くはなく,おまけに代表作である『私自身、肖像=風景』がなかったことで,ちょっとだけ残念でした。しかし,藤田嗣治岡鹿之助といった日本人にも大きな影響を与えていたことがよく分かりましたし,絵画に留まらず写真にも影響を与えていたことにはびっくりしました。なにより,『エッフェル塔とトロカデロ宮殿の眺望』が本で見るよりもはるかに実物の色遣いが素晴らしかったので,いろいろ差し引いても大満足でした。


2月12日まで開催されているそうなので,お近くの方は是非。